Fire Bird
※スクスタ内の各種ストーリーやパンフレット・雑誌、ライブの内容に言及する可能性があります
ニジガクみゅ〜じっくウィーク!でこの曲を聴いたときの最初の印象は、なるほどそういう方向性で来たか、うまいな、という感じでした。
果林の代名詞とも言えるStarlightではクールでミステリアスなセクシーさでしたが、Fire Birdは情熱的で大胆なセクシーさ、という感じで、セクシーという果林の持ち味を違う路線で出してくるのがうまいなと思いました。
実際後にキズナエピソードでもFire Birdを披露するイベントでは「心を掴むのではなく撃ち抜く」、言い換えるなら引きつけるのではなく自分から攻めに行く、と言っています。
これはかなり僕のそれぞれの曲のイメージに近くて、Starlightは相手の心を自分に引き付けて、浮かされたファンたちからの熱を果林が受けて自身も高まっていく、というイメージなのです。
これは "私以外には何も感じない考えられない" などがわかりやすいですし、他にも "足りないわヴォリューム上げて" がもっと歓声が欲しい、"高鳴り合い増す中毒性 求めれば求めるほどに" でこの熱を受けて自分が高まることでお互いにボルテージを上げあっていく感覚かな、と解釈をしています。
一方で「撃ち抜く」Fire Birdは自分自身がすでに持っている熱すぎるほどの熱をファンにぶつけることで相手の熱量も高めようとしている、というイメージです。
この曲はそんなに聴き手に直接訴えかけるような歌詞はなく自分の今の熱量を語っているような部分が多いですが、落ちサビラストの "さあ私と…!" で一気に相手に自分の熱量まで付いてきて欲しいという想いをぶつけ、そうしてお互いに熱をぶつけ合うことで "共鳴して生まれるリズム" に繋がり、より熱さを増していく、という感覚があります。
"本気にさせて何処までも" なんかもそんな想いから来る煽り、という感じがします。
「撃ち抜く」に関しては、MVで情熱の薔薇をファンに投げるところなんかもそういう意図の演出なのかなと思います。
そんな感じで、Starlightは相手の熱量を高めることでステージを沸かせる曲、Fire Birdは自らが熱源となってステージに熱を振りまいていく曲、という対比があるかなと思っています。
そもそもこの曲がなぜそこまで情熱をぶつける曲になったかというのは、キズナエピソードにて描かれています。
昔、自分だけが本気になりすぎて周りとの熱量の違いから失敗してしまった経験から、空気を読み「ほどほど」にすることを学んだ果林ですが、いつも本気で頑張る同好会のみんな、そしてそれを受け止めてくれるあなたちゃんとの出会いから、また本気でやってみる覚悟を決めた、というのが大枠です。
Fire Birdにはただ「本気」なだけではなく、この「ほどほど」から「本気」への変化を表す部分もたくさんあり、例えば歌詞だと "籠の中の鳥はやめたのよ" "理性なんて捨てて 本能のまま そんな私を受け止めてくれたのよ" などがそうだと思っています。
他にも衣装にもその変化が出ていると思っていて、Starlight衣装の帽子についてるのは青く開ききっていない薔薇ですが、Fire Birdでは赤く咲き誇った薔薇が髪にあしらわれています。
MVでも、バックのスクリーン映像で最初は薔薇が氷に閉じ込められていますが、曲の最中 "自由に空羽ばたいてく" の部分で氷が割れて薔薇が解放されます。
この青から赤、制限された状態から解放される、という描写が「ほどほど」から「本気」への変化を表しているのかなと思います。
さらにいうと、キズナエピソードにあった通り、果林は元々は「本気」だった状態から「ほどほど」になり、また「本気」になったのであり、過去にもう1段階の流れがあります。
この部分もタイトルのFire Birdから読み取れると思っていて、単に情熱を表す火の鳥ではなく、不死鳥・フェニックスのイメージも加わることから、本気の情熱の炎が蘇った、あるいは初めからずっと消えていなかった、という感覚に繋がります。
歌詞でも "時がどんなに経とうと灰と化すことなんて無いわ" の部分なんかは、「これからもずっと本気でやっていく」という意味もあるのでしょうが、「これまでも本当は炎は消えておらず燻り続けていた」というニュアンスが含まれていると思っています。
この「過去の本気がまだ生き続けている」という部分はキズナエピソードで果林の昔からのファンが情熱的な果林が帰ってきて喜ぶメッセージを送ってくれている描写からも感じられて、昔から熱を持ち続けているのは果林だけでなく熱を受け取ったファンも同じ、というのも、永遠の熱を伝えようとしているFire Birdらしさがあるな、と思っています。
Fire Birdの「鳥」の部分も今までの曲たちから連想できるところがあって、例えばStarlightには "Fly! High!" という歌詞がありますし、1stライブのWishではバックスクリーンと重ねて翼を生やす演出がありました。
ストーリーから見えてくる果林の心情の流れと今までの曲との関係を考えると、Starlightはまさしく自分の最大の武器だと自覚しているセクシーさを追求した曲で、他人から求められている自分を魅せることで期待に応える、という曲だと思います。
次の曲となるWishは、そんな期待された通りの振る舞いをついついしがちなために、なかなか自分の本音を出せずにいる果林の内面を描いた曲です。
(ちょっと脱線すると、WishはMargaretの先駆けでもある気がします。歌詞や曲調で2人の雰囲気の違いがしっかり出ているのがやっぱりすごいですね)
この曲はキズナエピソードの流れから見て、歌詞はあなたちゃんが書いていると僕は思っています (曲を聴いた果林が「どうしてこの曲を私に?」と反応する場面がありますが、曲調だけでつい本音を隠してしまう心情を見透かされたと感じるかどうかというと、少し疑問なので)。
加えると、歌詞の "弱い私を その手で抱きしめてよ 壊れるほど" というほどに果林が本音を素直に出せないことを重く捉えているかというと、そうでもないような気がしています。
"隠れてた本当の私" であって、「隠していた」わけではなく、自分でも無自覚だった部分を、あなたちゃんに指摘されて初めてそういう一面もあるなと気付いた、くらいの感覚だという認識です。
なのでこの曲は、そんな果林の一面を少し誇張・脚色した曲であり、ある意味しずくのように「私であって私ではない人物」を歌っている、というのが僕の解釈です。
その前提に立つと、Wishは今まで言えなかった気持ちを解放する歌であると同時に、ある意味で「あなたちゃんの歌詞が描いた姿」となって歌っている曲であり、まだ求められた通りの自分を出している曲でもある、と思っています。
続くFire Birdでも歌詞に "ゆっくり刻むBPM 嫌いじゃないけど今は窮屈" とあり、これはWishも少し意識しているんじゃないかと思っています。
"嫌いじゃないけど" と言ってくれることに自分のことを見てくれたあなたちゃんへの果林の優しさを感じつつも、やっぱり "本当の私" は弱いだけの私ではなく、本気になる私でもある、という主張だと捉えています。
Fire Birdは歌詞も果林が書いていると思っていますし、今までの曲と比べてみても歌詞の1つ1つのどれからも果林が確かに抱いている意志が感じられます。
この曲でついに求められている自分に拘らず、自分自身が見せたいと思う自分を見せつけている、と思っています。
僕が一番果林のこの気持ちを感じる歌詞が "瞳を閉じたらそこに感じるもの" の部分です。
果林はセクシーさで売っているし、今までもそのスタイルを活かせるダンスを自分の強みとして力を入れてきました。
なのに瞳で見るセクシーな立ち姿じゃなく、瞳を閉じて感じるものなんですよ。
もちろん瞳に焼き付けたから見える、みたいな意味もあると思うんですが、僕は "感じるもの" は "胸に宿る魂"、熱い情熱の炎が胸で燃え滾っているのを感じて欲しいということだと思っています。
自分の見せたい燃え上がる姿を見せつけて、他人にまで火を付けたい、そうして自分の中に確かに芽生えたその炎の息吹を感じ取って欲しいという意味だと思います。
今の果林が本質的に大事にしているものは純粋にセクシーな姿そのものではなく、そこから伝わる魂だと言っている気がします。
自分が本気でいるためには周囲の熱量・環境はとても大事で、実際それが足りないため果林自身も一度その熱が下がってしまったし、逆に熱量のある同好会に身を置いたことで、改めて熱を取り戻しました。
今度は周りの熱量が足りないから自分も冷めるのではなく、自分が周囲の熱を上げるくらいの存在になって、周りも本気にできればみんなでずっと本気でいられる。
今度は自分がそんな存在になりたいという果林の新たな覚悟が見える気がしています。
一方で、果林自身もクールな自分も自分であり、情熱的な部分とうまく合わせて出していけたらいい、ということをキズナエピソードでも言っています。
いやホントそれで、加えればWishもそうだし、パンダでテンション上がっちゃうかわいいところとか方向音痴のおっちょこちょいなところとか、本当にいろんな顔があるとこも全部魅力なので、いろんな一面を上手く織り交ぜながら見せていって欲しいですね。
ぜひクールビューティーさも失わずにオシャレにアガれる感じのものをこれからも期待しています。
実際、Starlight自体も僕の中ではそういう曲で、確かにフロアの熱が上がる曲なんですよね。
なんだかんだ一番好きな果林曲は結局いまもStarlightです。
ただ、Fire Birdとそのエピソードを経たことにより、さらにStarlightという曲が持つ熱量もブーストされた気がしていて、そういうところも楽しみです。
あとは、この本気になった気持ちを読者モデルにもまた活かしてほしいですね。
今回のキズナエピソードで、今までドライに見えた読者モデルの活動も元々は本気でやっていたこともわかりましたし、「スクールアイドル活動は読者モデルにも役に立っている」という発言もあるので、やっぱり果林にとって読者モデルのお仕事もとても大事なものなんだと改めて実感できました。
取り戻した本気で読者モデルの仕事にもいい影響がある、そんな展開が見られることも楽しみにしています。
ここまで果林の心情をメインに曲の大枠から感じられる気持ちの話をしてきたので、純粋に好きな細かいところの話を最後にしたいと思います。
まず、Foo!!が可愛すぎる。
いや本気で情熱的でセクシーとか言っといてなんでそんなにかわいいの。
ずるいでしょ、詐欺です、困る。
普通にダンスもちょいちょいかわいいんだよなあ。
他には、MVでところどころ本気の眼差しという感じの目があるのが、曲に込められた本気の覚悟を感じて好きです。
あと、指でふとももの上を歩くような振り付けがかなり印象的で意味を考えているのですが、地べたを歩くことをやめて羽ばたこうとする直前、みたいな意味なのかな?と思いながら見てます。
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