1.2.3!

TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」挿入歌シングル【第3話盤】のカップリング曲です。
おおまかには「みんなで一緒に進んで行こう」という曲だと思っていますが、Liella!が相手に手を差し伸ばして誘うというよりは、みんなもう並んで前を向いて進んでいるところで、改めてその楽しさを振り返りながら「一緒に行こうね」と再確認しているような、そんな感じがします。
"いこうぜ"、"やばいぜ" など、砕けた言葉遣いから引っ張っていくような力強さや女子高生らしさも感じますし、同じ盤に収録されている「未来予報ハレルヤ!」の"よっしゃ!" にも通じるところがあるように感じるのも面白いなと思います。

この曲で大きなモチーフになっているのは絵で、キャンバス・パレット・絵の具などの単語が出てきます。
人それぞれの得意なことだったり、好きなことや考え方だったりを「色」に例え、1人では足りない色を補い合って、人それぞれの色を重ねて1枚の絵を描いていく、そんなイメージだと思っています。
ただたくさんの色を使って描かれた絵というより、それぞれが自分の色で好きなところに思い思いの絵を描いて合わせていくようなイメージも持っていて、みんなが各々思うままに楽しみながら絵を描いてると大きな1枚の夢が描き上がっている、そんな場面が想像されます。
僕は "ラクガキに浮かびあがる地図" という歌詞が、「ラクガキするくらいの気持ちで気軽に好きなことをたくさんしているうちに自分が本当に向かいたい夢が見えてくる」という感じがしてめちゃくちゃ好きなんですが、この歌詞からも自由にカラフルな絵をみんなで重ね合わせているうちに夢の形が見えてくるような、そんな印象を受けます。

Liella!は始まりに関する曲が多く、この曲もその1つだと思いますが、曲毎にタイミングが微妙に違っているなと思います。
この曲は出会いから何かが変わり始めていて、始まりをもうすでに実感している段階という感じがします。
"私が知らない色 いつもキミが教えてくれる" や、"キミと出会ってから 気づいたことたくさんあるよ" など、もうすでに出会っていくらか同じ時間を過ごしてきた状態であることがわかります。
一緒に過ごす時間の中で、いろんな新しい発見や楽しさを積み重ねられることがわかって、ただ楽しいだけじゃなくみんなで一緒に向かっていく先がやっと見えてきたから、そこに向かってせーので飛び出していこうというような、出会いという始まりを経て改めて生まれた新しい始まり、という感じがします。

収録曲がほとんど同じ【第1話盤】でアナザーカップリングになっているGOING UPは、声援という形でみんなから力を貰っていましたが、それを受けて舞い上がる風船は基本的に自分ただ1人だけとして描かれていたように感じます。
かのんがソロでパフォーマンスしても違和感がないのは、そんな印象のおかげもあるかもしれません。
一方で1.2.3!ではみんなと一緒に何かをやる、という部分がピックアップされているように思います。
"一緒に駆け抜けたいの" などのわかりやすいフレーズもありますし、そもそも「1.2.3!」という掛け声でタイミングを合わせるのも、勝手に1人でやるのではなく、みんなと息を合わせてやる必要があるからなんだろうと思います。
ここでも「私を叶える物語」と「みんなで叶える物語」の対比がわかるような、あるいはどちらの要素もラブライブ!スーパースターにうまく同居しているような、そんな感じがあります。

ライブではかのん・可可・千砂都の3人でパフォーマンスし、かのんソロGOING UPの後、Tiny Starsの前というタイミングで披露されます。
イントロで可可の練習に付き合っていたり、間奏で2人にダンス指導をしているような振り付けがあり、2,3話のイベントに向けて3人で練習をしている辺りに近い描写かなと思いますし、タイミング的にもGOING UPとTiny Starsの間なのでマッチしているかなと思います。
個人的には歌詞は前述の通り「出会いで世界が変わって進み始めた」感があるのでTiny Stars後のかのんの心情の方がより近い気もしていますが、3人が揃ってみんなで動き始めたという意味でこのタイミングでも雰囲気に合っているなと思います。
千砂都視点で歌詞を見ると、千砂都にとって大きな出来事であるかのんとの出会いや経験から感じている気持ちに近い部分がある一方、千砂都はこの段階ではまだ「みんなで」をやりたいけど、やれるようになるためにまず「ひとりで」を目指している状態なので、少し複雑な感じもします。
振り付け的にも落ちサビではかのんと可可が向き合いながら "1.2.3!" と掛け声を掛け合って一緒に始めようとしていますが、千砂都をその輪から外れて見守るような立ち位置になっています。
曲の終わりでの千砂都の表情が (記憶が正しければ) 大阪公演まではなんとなく切ないような、噛みしめるような表情だったのは、そんな複雑さを表す要素もあったのかなと思っています。
一方、東京公演からは2人を交互に見て微笑む表情に変わっていて、Tiny Stars へと笑顔で送り出している感じがするのもまた千砂都らしい優しさがあってよいなと思います。

振り付けでは "1.2.3!" の歌詞に合わせて指でカウントをしたり、"ジャンプ!" の歌詞に合わせてジャンプしたり、特にサビは観客と一緒に楽しめそうな振り付けがたくさんあってよいです。
サビ後半では個々ににかのんが1、可可が2、千砂都が3のポーズをしているのも加入順という感じがしてよいですし、千砂都の3で親指が増えているのも、2の人差し指・中指から少し離れたところから見守っている感じがして好きです。
あとは "キミと出会ってから気づいたことたくさんあるよ" で気付いたことを1,2,3とカウントするような可可の振り付けも好きです (これは3が薬指なのでめちゃくちゃ混乱しそう)。
その後の膝に手を乗せて敬礼するようなポーズもめちゃくちゃ可愛くてお気に入りポイントです。

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